サイトランス グラニュールは、世界初の「炭酸アパタイト」を主成分とする、国内初の「インプラント適用」が認められた顆粒状の骨補填材です。
主成分の炭酸アパタイトは、生体骨の無機成分を模倣した完全化学合成品であり、生物由来原料からの感染リスクがありません。
骨欠損部にサイトランス グラニュールを補填します。
周囲組織から血管が侵入し「破骨細胞」による細胞性吸収と「骨芽細胞」による骨形成が始まります。サイトランス グラニュールの主成分である「炭酸アパタイト」により「破骨細胞」が活性化され、早期からサイトランス グラニュールの周囲が新生骨で覆われます。サイトランス グラニュールは体液中では 安定しています。
「破骨細胞」による細胞性吸収と「骨芽細胞」による骨形成により患者さん自身の骨にゆっくりと置き換わります。顆粒が目視できる状態ですが、顆粒周囲は新生骨で覆われており、インプラント埋入等に足る骨質を示します。
顆粒と既存骨との境界が不明瞭になっていきます。
ゆっくりと長時間をかけて患者さんの骨に置き換わります。骨のリモデリングと同様に、サイトランス グラニュールは破骨細胞に吸収される(=骨に置き換わる時に吸収される)ため容積の減少が抑えられます。
骨のリモデリングとは、骨組織の古くなった部分を吸収し、新しい骨を形成する生理的なプロセスです。破骨細胞が古い骨を分解・吸収し、骨芽細胞が新しい骨を作ることで、骨の強度や形状を維持します。この働きは成長期だけでなく、成人後も生涯を通じて継続的に行われます。
補填後、インプラント埋入までの待機期間は6ヶ月以上としていますが、患者さんの個人差によりますので、歯科用CT又はパノラマ・エックス線撮影等によりご確認ください。
顆粒が残っている場合でも、顆粒周囲に新生骨が形成され、十分な骨質と骨量があればインプラント埋入は可能です。
サイトランス グラニュールは、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズの3種類の顆粒サイズがあります。 粒径の大きさによる使い分けは特になく、症例や操作性によって選択することが可能です。
Sサイズ
粒径 0.3mm~0.6mm
Mサイズ
粒径 0.6mm~1.0mm
Lサイズ
粒径 1.0mm~2.0mm
サイトランス グラニュールを筒状構造に充填し、生理食塩水で満たした後に筒を引き抜いて顆粒の高さを測定した結果、Lサイズの顆粒が最も形態を維持しやすいことが確認されました。 これは、Lサイズの顆粒が他の顆粒と接触する面積が大きく、積み上げやすい構造であること、また顆粒自体が大きく重たいため移動しにくく、形成された形状を保ちやすいためと考えられます。
既存歯槽骨[AB]、CO3Ap顆粒[ C ]、血管[BV]、
新生骨[NB]
イヌ抜歯窩にサイトランス グラニュールを充填した際の走査型電子顕微鏡観察像
1) M. Matsuo et al., Journal of Dental Research,
98(Special Issue A):2528.
炭酸アパタイトの高い骨伝導能により、早期からサイトランス グラニュールの周囲が新生骨で覆われます。
(移植14日後)
サイトランス グラニュールは、口腔外科、歯周外科(ペリオ)など幅広い症例で使用できる骨補填材で、主に上下顎、歯槽骨の骨欠損に使用されます。 特にインプラント治療では、様々な症例において使用可能な骨補填材です。インプラント体埋入時にインプラント体が露出した部分の補填、インプラント体の埋入を前提とした二期的再建時の骨補填、ならびにインプラント体の埋入と骨補填を同時に実施する骨補填などに適用されます。