オスフェリオンDENTALはβーリン酸三カルシウム(βーTCP、Ca3(PO4)2)を原料とした吸収性の骨補填材です。顆粒内部に約50%のミクロの連通気孔を有し、細胞の侵入を促す液性成分が染み込みやすい構造をしています。
Sサイズ
Mサイズ
Lサイズ
組 成高純度の国産 β-リン酸三カルシウム(β-TCP、Ca3(PO4)2)
気孔率77.5±4.5%(顆粒体加工前)
種 類3種類の顆粒径
⚫︎整形外科領域では、1cm3の大きさのブロックであれば、約4ヵ月程度でX線観察上で吸収されて骨に置換されていると報告されています。6)
⚫︎動物実験では、骨形成は吸収と同時に起こり、また、自家骨との混合により骨形成と吸収が促進されることが確認されています。7)
⚫︎動物実験では、同気孔率のHAと比較して有意に類骨石灰化速度が速いと報告されています。8)
表面積はSが0.98m2/g、Mが0.95m2/g、Lが0.90m2/gです。
pH7.30のトリス緩衝液中における溶解速度はS>M>Lです。
溶解速度は気孔率が高ければ高い程、顆粒径が小さければ小さい程、つまり、表面積が広ければ広い程、速まります。
顆粒間には下図のように空隙(くうげき)が存在します。
上図は直径9.6mmの円形の容器に各顆粒径のオスフェリオンDENTALを緊密に充填してからポリエステル樹脂を加えて硬化させた後、断面を切り出して研磨し、SEM写真を撮影したものです。
顆粒を緊密に充填したときの密度は、Sが約0.7g/ml、Lが約0.4g/mlでした。顆粒を緊密に充填したときの密度に顆粒内部の気孔率を含めた空隙率(くうげきりつ)はSが約78%、Lが約87%と算出されます。
マクロの連通気孔として、顆粒を緊密に充填し、μCTによる断層における顆粒間の円相当径(≒隣の顆粒との距離)を計測したところ、平均値はSが167μm、 Lが327μmでした。
*細胞が侵入しやすい気孔径は100~400μm、さらに、最適気孔径は300~400μmと言われています。2、3)
ビーグル犬下顎にφ3.5×8mmの骨欠損を作製し、顆粒径L:1.0~2.0mmのオスフェリオンDENTALを埋入したときの試験(n=6)で、新生骨面率は埋入後4週目で13.7±5.6%、12週目で38.8±12.1%、残存移植材面積率は埋入後4週目で24.9±6.2%、12週目で12.1±3.4%でした。
トルイジンブルー染色の組織標本