BONEJECT

BONEJECT
BONEJECT

牛骨由来のハイドロキシアパタイト粒子とアテロコラーゲン溶液のリン酸緩衝溶液を3:2の重量比で混合し、カートリッジに充填したペースト状の歯科用骨補填材です。

製品の特徴

True Bone Ceramicとも呼ばれる牛骨由来のハイドロキシアパタイトは、多孔性で天然の骨塩や骨構造を温存しています。天然骨と同様に微量金属(Na,Mg等)を含んでいます。生体組織となじみやすい性質を持っているアテロコラーゲンを含有しています。

ボーンジェクトMタイプの電子顕微鏡(SEM)写真

優れた生体親和性

組織に対する刺激性を示さず、優れた組織親和性を有しています。

良好な操作性

ボーンジェクトは、滅菌後専用カートリッジに充填されていますので、使用時に混和する等の操作が不要で、容易に填塞することができます。(写真1)また、コラーゲンの粘着性により、ペースト状で扱うことができ、顆粒体を一塊として移植できます。顆粒の散乱はほとんど見られません。(写真2)

写真1:ボーンジェクト

写真2:ボーンジェクトをカートリッジより押し出した状態

高い生物学的安全性

亜急性毒性、口腔粘膜刺激性、皮下埋入毒性、溶血性、細胞毒性、復帰突然変異、皮膚感作性、抗原性の各試験で異常は認められていません。

選べる2タイプ

粒子の大きさにより2タイプの製品がありますので、目的に応じて使い分けができます。
Sタイプは平均粒径300〜600μmで主に歯周疾患用で、Mタイプは600〜1,000μmで主に口腔外科用です。

臨床成績

症例1 歯周疾患領域1)日本歯科大学 生命歯学部 歯周病学講座

術前のX線写真

近心部に比較的広範な楔状骨欠損が認められる。

術後6ヶ月のX線写真

顆粒の粒状性は消失しており、母床と骨補填材との境界も不明瞭化している。

術後7年後のX線写真

良好な治癒経過をたどって、補填材は確認できなくなっている。

術中の口腔内所見

近心部に明らかな楔状骨欠損が確認できる。

術後6ヶ月の口腔内所見

炎症も認められず、歯肉も生理的形態を呈している。ポケットも認めらない。

症例2 口腔外科領域2)日本歯科大学 生命歯学部 口腔外科学講座

保管方法

コラーゲンが含有されているため、2〜10℃の冷所で保存し、凍結しないこと。

組成

ボーンジェクトは、1,100℃の高温で焼成した牛骨由来のハイドロキシアパタイト粒子とアテロコラーゲンのリン酸緩衝溶液を3:2の重量比で混合し、カートリッジに充填したペースト状の複合材です。
牛骨由来のハイドロキシアパタイト粒子はTrue Bone Ceramicとも呼ばれ、牛骨(主に海綿骨)の形状を保持したまま有機物を完全に除去し、無機成分を1,100℃で焼成し、粒状にしたものです。
アテロコラーゲンはウシ真皮を酵素処理により可溶化し、高度に精製したものです。

BSE(牛海綿状脳症)に対する安全対策

ハイドロキシアパタイトは、1,100℃の高温で焼成した高度不活化原料です。
アテロコラーゲンは、ウシ真皮を原材料としております。原材料はBSE感染の可能性がないことが科学的に証明された低リスク原料です。

使用目的又は効果

歯周疾患による歯槽骨欠損部の充填材料、および歯根嚢胞、良性腫瘍摘出腔等の充填材料として骨修復を図る。

保険適用

汎用型・非吸収型のうち、顆粒・フィラー、多孔体、形状賦形型及び吸収型については、骨髄炎、骨・関節感染症、慢性関節疾患、代謝性骨疾患、外傷性骨疾患、骨腫瘍の病巣掻爬後の補填、歯肉剥離掻爬手術若しくは歯周組織再生誘導手術中の補填又は顎変形症の顎離断後の補填に用いた場合、これらの疾患の治療のために自家骨移植を行った結果その欠損部位の補填を目的として使用した場合に算定する。
(令和4年3月4日 保医発 0304 第9号 特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について Ⅱ算定方法告示別表第二歯科報酬点数表に関する事項 3-001)

特定保険医療材料価格(2022年4月現在~)
 歯科Ⅴ 001 人工骨 (1)汎用型 ①非吸収型 ア 顆粒・フィラー(略称 人工骨AB-01) 1g当たり6,390円

〔主要文献〕
1)仲谷 寛ら: 「True Bone Ceramic-コラーゲン複合骨移植材(KF-300)の垂直性骨欠損への応用に関する臨床的研究」, 日本歯周病学会会誌34(1),   p220-231, 1992.
2)三井妹美ら: 「歯科・口腔外科領域における歯科用コラーゲン・天然アパタイト複合剤(KF-600)の臨床使用経験」, ザ・クインテッセンス11(7), p180-195, 1992
〔参考文献〕
3)阪本貴司: 「インプラント埋入部にボーンジェクトを使用した15症例の臨床的および病理組織学的検討」日本口腔インプラント学会会誌10(3),p253-260, 1997